2014年度スローガン 聡明叡智 ~未来への歩み~

理事長所信

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(公社)となみ青年会議所

2014年度理事長 上埜慎也

はじめに ~心の緒を締めよ~

「新日本の再建は我々青年の責務である」
1949年、戦後の荒廃の中、日本での青年会議所運動が始まりました。
  我が国では戦後半世紀をかけ、世界でも類を見ない急速な発展を成し遂げることができました。しかし近年では、短期政権が招いた政治の混乱、東日本大震災から派生した原発事故による安全神話の崩壊、バブル経済崩壊後の失われた10年から20年となった景気の低迷が続いています。未来へのまなざしが欠乏した人々の嘆息からは、いまだ混迷の歩みを進めているように思えます。そして我々が住み暮らす、このとなみ野においても様々な喫緊の課題が堆積しています。しかしながら我々自身が政治が悪い、時代が悪いと嘆いてはいないだろうか。自分ではない‘誰か’に押し付けてはいないだろうか。戦後の中、立ち上がった創始の時代とは異なりますが、同じくして目まぐるしく変化をし続ける、極めて混沌とした時代において、今まさに我々が立ち上がり奮励喚起し、広い視野と深い見識を持ち、卓越した想像力と豊かな人間性を身に付けた聡明叡智の働きにより、未来を創造していくことが求められている。
  このとなみ野に青年会議所が設立され43年の間、先輩諸兄が俯瞰的な視点と先見の明を持って、叡智を集め、明るい豊かなとなみ野を築き上げていただきました。今日までの先達の輝かしい功績に最大の感謝をし、今この時に生きる責任世代である我々の使命とは何か、このまちの興廃は我々自身にあると己を律してほしい。いま一度、心の緒を締めて未来への歩みを進めよう。

 

次代へのまちづくり

  誰もが自分たちの住んでいるまちが明るく豊かでありたいと願っている。地域の活力は構成する人々の活動の総和であり、智慧の結果であります。地域に活力があって生き生きとしていることが、地域に対する愛情を形成し地域への誇りにつながり、様々な課題の解決へと向かっていけるのではないでしょうか。
  しかしながら、人々が「まちづくり」に対して関心を抱き、参加できるような機会が少なくなってきているのではないでしょうか。まちを良くするということは決して簡単ではなく時間のかかることだと思います。それを難しいことと捉え人々の関心が薄れ、向き合うことの機会が減少していくことが大きな問題であると思います。市民の誰もが関心をもって気軽に参加し、新しいものを創り上げていくというような場面を増やし、それが自然に「まちづくり」へとつながっていくようなコミュニティーを創ることこそが理想の「まちづくり」と考えます。そのためには、全ての人々が様々な分野において知識や情報を共有し、生活を取り巻く多くの要素を総合的に見つめなおし、多角的で持続的な活動を行なっていき、明るい豊かな暮らしを創造していくことが必要であると思います。
  多くの人々が関わることで自らのまちへ関心をもち、誰もが自分のまちを誇れる地域となるのです。3年目を迎える「となみ野フェス」や各地域において積極的に行われているコミュニティー活動を通して、市民の叡智が地域の活性化と課題への解決に向かわせるエネルギーの元となるよう、青年らしく熱い心意気をもって、聡明な人々による魅力溢れる地域へと進化させます。

 

次世代を担う青少年の育成

  現在の子供を取り巻く問題として豊かな心と健やかな体の成長を支えるための基盤となる環境が悪化していると言わざるをえません。「子供を大切に」という言葉が声高に叫ばれる反面、利己主義的な大人社会の風潮が進展してきている状況が、今まさに直面している現状です。豊かな心や健やかな体の育成について、家庭や地域の教育力が低下したことを考えれば、大人自らがその向上に取り組むとともに、子供たちの発達の環境が、今まで経験したことがないような厳しさの中にあるという現実を十分に見据え、今の子供への徳育の充実をしっかりと進めることが、極めて重要です。
  今我々大人に必要なことは、数十年後、今の子供たちが大人になる時代を考え、子供の道徳性をはぐくむため、「子供を大切」にし、自ら何ができるかを考えて徳育を実践することです。真に「子供を大切」にするために、大人一人ひとりが子供の視点に立ち、教えるべきことは教えるということと、子供の持つ能力を引き出し、はぐくむという、両面を大事にした教育を大人自らが率先して学んでいきましょう。
  また、子供たちには、単に勝つ喜び負けるくやしさだけではなく、自らを奮い立たせる勇気、相手を思いやる心、絶対に諦めない気持ち、力強く立ち向かっていく力を養うことで、未来のこのまちを、ひいてはこの国を元気にしてくれることを願い「わんぱく相撲となみ野場所」を開催いたします。聡明な子供たちの笑顔は地域を明るくします。子供たちに夢や希望を与え自ら率先して自己を切り開く方向に導ける事業を展開し、次世代を担う子供たちの活躍を期待し、まちの未来に光明を差しましょう。次世代を担う子供たちは、地域で育てることができます。多くの地域の関係者と協力し事業を継続してまいります。

 

地域づくりのリーダーとして

  今地域に必要なのは、地域を愛し、どうやったらこの地域が良くなり、持続的に発展できるのかを本当に考えられ、行動できる人財です。個々の諸問題ばかりに気を取られるのではなく、もっとお互いのことを考え共に成長することに喜びを感じる人々です。我々は、地域が求める人財の育成を本気で考え、地域に根ざす青年経済人として、地域づくりのリーダーとして、必要な物を貪欲に吸収し、資質を向上していかなくてはなりません。優れた組織のリーダーは、そこに集う人たちの人間力を高め、魅力を引き出して鼓舞することが大切です。
  地域のリーダーとして運動する我々はまちづくり運動の原点となる自分自身の成長に努める事が重要です。本来、リーダーシップとは、天性に基づくものではなく、努力の積み重ねによって磨かれていくものであると思います。自らの肩書きや立場とは無関係に裸の自分に向き合う事の出来る人財が必要であり、まず、自分がリーダーシップを発揮する為にはどのようにしたらいいのかを自問自答する事が、他者の認めるリーダーとなる始まりと考えます。そして、様々な組織において、自らの立場が果たすべきミッションを充分に理解し、人生や経営、様々な事業を通じて実現したいビジョンを他者へ明確に発信する事が求められると考えます。自らが確固たる考えに基づき行動を起こし、周囲の人々に大きな影響を与えられる人財が求められている今、責任世代であるJAYCEEが多くの組織やまちの聡明なリーダーとなり、我々の愛するこのとなみ野を力強く牽引していきましょう。

 

 

新たなる仲間との出逢いと研鑽

  組織の力とは「数」であることは少なからずあてはまるのであろう。どれだけ素晴らしい想いがあり行動力があってもマイノリティーである以上は、運動を多くの人々に伝播していくにも限りがあります。我々は青年会議所の運動そのものである会員拡大を通じ、全メンバーで英知と勇気と情熱を持った仲間を増やさなくてはならない。その中で、仲間との友情や、その多くの仲間から様々な事を学んできた経験を伝えていきたい。活性化される組織には多くの人が集い、その多くの仲間によって組織はまた活性化される。そんな当たり前の相乗効果をもたらす事、一人ひとりが新たな仲間と出逢う為の新たなる飛躍への一歩を踏み出さなくては組織の発展も進歩もありません。我々が自らの言葉で己が何故JAYCEEであるかを未来のメンバーに伝えていきましょう。新たな仲間を生む事は明るい豊かな社会へ向けた大きな一歩となります。
  また、青年会議所は研鑽の場でもあると考えます。そして最大の魅力は人との出逢いだと思います。限られた青年期を仲間と共有し、一致結束してまちづくりに汗を流す。同じ目的に向かって苦労するからこそ築かれる人間関係、信頼関係がそこにはあります。人間力を高め、知識やスキルを身につけ互いに切磋琢磨し成長しましょう。まず、一人ひとりが、自身のことを見つめ直していきましょう。原理・原則に立ち返り、団体の理念である「明るい豊かな社会」の実現に向け、一人ひとりが優れたリーダーを目指して仲間とともに歩んでいきましょう。

 

世界へと広がる青年会議所の機会

  JCIという組織の一員でもある我々は、既にこの地域において、公益社団法人となみ青年会議所という組織に対して会社や家庭から出向している事を改めて自覚する事が必要であり、重要な事であると考えております。
  我々は、世界124の国と地域に約17万名の会員を持つ世界で最も大きな青年団体の一員であります。様々な大会や諸会議の機会を最大限に活かし青年会議所のメンバーとして広い視野を身に付け、自己の可能性を磨いていただきたい。
  また、日本JC、地区協議会、富山ブロック協議会へ例年多くのメンバーに出向して頂いておりますが、出向先で学んだ知識や経験、新たな気づき、他青年会議所のメンバーとの出逢いは、まさに出向の醍醐味と言え、出向者自身の今後の活動の糧になるだけではなく、人生という大きな枠でとらえても何物にも代え難い大きな財産であると言えます。これを自身の中でとどめておくだけで終わってしまう事は、組織として大変もったいない事です。出向先で学んだ事を組織としてポジティブチェンジ(積極的変化)できるように、出向者が得た智慧をメンバーへ発信し、となみ野に新たな風を吹き込んでいただきたい。

 

公益社団法人としての組織運営の確立

  公益社団法人として運動・活動するとなみ青年会議所にとって、事業や活動に広く理解と協力を得るために、あらゆるコミュニケーション手段を通じて伝え、広く市民を巻き込んでいくことは必要不可欠です。インターネットにより情報が爆発的に溢れ、単に発信しただけでは 埋もれてしまう中、情報の迅速性と、社会全体とのコミュニケーションやエンゲージメントにより、幅広い信頼と絆を得ることが求められるようになってきています。どんなに素晴らしい事業を実施しても客席が空では事業として成り立ちません。関心が低い社会の中で、人に知っていただくこと、足を運んでいただくことには大変な困難が伴うかもしれませんが、ソーシャルメディア時代を迎えた今、担当のメンバーだけでなく全メンバーが意識を高め行動してまいりましょう。
  そして、公益社団法人であり続けるために財務運営とコンプライアンス審査、定款等の再検証、事業目的の達成と検証が必要となります。また厳格なルールに基づいた組織運営が必要となります。これまでに私は多くの出向を経験させていただきました。その中で日本JCが行う各種大会、理事会をはじめとする諸会議や会合において、厳格な組織運営を行い「皆の大切な時間を決して無駄にしない」という決意が根底にあり、組織を運営する側も、自らを律し、取り組んでいることを学びました。日本JCという組織は、全国各地青年会議所からの出向者で構成されており、これは出向している会員一人ひとりへの感謝と敬意の表れでもあります。となみ青年会議所も同じように総会や理事会をはじめとする諸会議、会合、委員会運営などにおいて、このような精神を大切にし、しっかりと組織運営を行っていくことが重要です。公益社団法人としてさらなる歴史を積み重ねていく団体へと昇華させていきましょう。

 

おわりに ~鬨の声を上げよ~

  私が青年会議所に入会させていただき10年目を迎えます。青年会議所の三信条「修練・奉仕・友情」を基に、多くの貴重な経験をさせていただきました。青年会議所活動は、自己の成長を望む者に限りない学びの機会を与えてくれます。多くの修練と奉仕を通じて、かけがえのない友情と絆に出逢えました。そして本年度、新たな挑戦の機会をいただくことになりました。青年会議所メンバーとして獲得した気づきを活かすことが、我々の青年会議所活動に多大なるご理解をいただいている地域・会社・家族への恩返しになると考えます。
すべては我々自身にあります。
「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」
連合艦隊旗艦三笠が「Z旗」を掲げたように、我々も「JCI旗」を高らかに掲げ、今この瞬間からの希望溢れる輝かしい未来への歩みへ向けて鬨の声を上げるのだ。
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